2018年4月の写真です。
この日は、浜松町駅から出発、増上寺へ向かいます。


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浜松町駅北口を出て西に進むと、国道15号第一京浜と交差します。大門交差点です。
奥に、森ビル、右には東京タワーが見切れています。
道路の先には、大門が小さく見えます。大門は大門交差点にはありません。

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大門です。
芝大門交差点にあります。
大門は当然増上寺の総門であり、増上寺のものですが、その経緯はちょっと複雑です。
明治維新では、廃仏毀釈の流れで寺院が経済的に困窮することが多くあり、この増上寺も大門を維持することができなくなり、東京府に寄付されてしまいます。現在の大門は昭和12年(1937年)に東京市が市民に寄付を募って改築されたものです。その後なぜか東京都の財産目録から抜け落ちてしまい、所有者不在の状態で放置されてきました。増上寺は東京都に譲与を求めてきましたが、財産目録に無い物の譲与はできない、というお役所仕事な回答。管理されることなく老朽化が進んだ結果、東日本大震災で瓦が落下し、マスコミで取り上げられる事態になりました。その後ようやく東京都は財産目録から誤って抹消されたことを認め、2016年に増上寺に無償譲与されました。
この写真は、増上寺に譲与後おこなわれた改修工事後の姿になります。

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増上寺三門である、三解脱門です。
元和7年(1621年)建立の二重門です。国指定重要文化財です。
大門から本殿本堂に至る道程は穢土から極楽浄土へ至る世界を表しているそうです。
三門をくぐって煩悩を解脱して大殿へ向かいます。

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大殿本堂です。
東京タワーとセットですね。

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大殿は、昭和49年(1974年)再建です。室町期の阿弥陀如来像が祀られています。

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大殿向かって右側にある、安国殿です。
こちらには、平安時代の恵心僧都作と伝わる、秘仏阿弥陀如来像黒本尊が祀られています。
徳川家康が深く尊崇し、陣中にも奉持し、戦勝を祈願したもので、のちに増上寺に奉納されたものです。

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増上寺、黒本尊の御朱印、頂きましたt

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増上寺といえば、徳川将軍家の菩提寺
二代秀忠、六代家宣、七代家継、九代家重、十二代家慶、十四代家茂の6人の将軍が眠っています。

もともとの徳川家霊廟は、その多くが国宝に指定された、壮大なものでしたが、戦災によって焼失してしまいました。昭和33年に現墓所に改装されています。

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将軍家墓所への道に入ると、たくさんのお地蔵さんが迎えてくれます。
千躰子育て地蔵です。

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徳川家墓所門です。移転した墓所の入り口です。もとは文昭院(家宣)霊廟の奥院中門です。

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三解脱門の南まで戻ってきました。
黒門です。慶安年間に家光の寄進・建立とされています。増上寺方丈の表門、方丈門でした。
広大な敷地の方丈は、明治維新後に北海道開拓使の施設、海軍施設となり、その後芝公園になりました。この方丈門は、鐘楼堂脇に移転、そして現在の日比谷通り沿いに移転しています。

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さらに南、ザ・プリンスパークタワー東京の敷地にあります、旧台徳院霊廟惣門です。
台徳院秀忠は寛永9年(1632年)に亡くなっています。霊廟はその年に建立が開始されています。
霊廟の建物の多くは戦災で焼失してしまいました。惣門は戦災で焼失しなかった数少ない建物のうち、唯一芝に残っているものです。
もともとは現在の場所より45m西に在りましたが、1959年に曳家されました。

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惣門に安置されている仁王像です。
川口市の西福寺にあった像が1948年に浅草寺に譲渡され、1958年に現在の惣門にうつされたそうです。

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惣門を抜けて、芝公園を西に進みます。

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芝公園の一番南の部分は、小高い山になっています。

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ここは、芝丸山古墳です。東京で最大級の前方後円墳です。
築造は、4世紀後半から、5世紀中ごろとされ、墳丘長は、125mとされています。

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前方部頂上部は削られ、広場になっています。

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伊能忠敬測地遺功表です。

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獅子がいます。
大野伴睦句碑だそうです。調理師会名誉会長としての長年の尽力に謝するため贈呈されたそうです。
あの、自民党副総裁だった方ですよね。調理師だったんですか。

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芝公園の中には神社があります。

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芝東照宮です。
扁額は、徳川家達ですね。徳川宗家16代当主です。

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ご神体は、徳川家康寿像です。
増上寺境内で家康を祀る廟は、安国殿です。これは家康の法名「一品大相国安国院殿徳蓮社崇誉道大居士」からくるものです。御神体は慶長6年(16001年)に家康自らが命じて彫らせた等身大の寿像で、駿府城に祀られていました。死に際し、増上寺に祀るよう遺言し、安国殿創建時に駿府から移されました。東照宮となったのは、明治期の神仏分離のためです。社殿は戦災で焼失しましたが、寿像は無事に戦災を乗り越え、現在、東京都指定有形文化財です。

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芝東照宮の御朱印、頂きました。

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御朱印帳がいっぱいだったので、こちらで新しいものを購入しました。
日光杉並木を伐採した御神木御朱印帳です。

日比谷通りを北に戻ります。

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御成門です。地下鉄の御成門駅のすぐ近くです。
増上寺の北側にある門で、江戸時代に徳川将軍家の菩提樹である増上寺に将軍が御成するための門です。現在この門を抜けると、東京プリンスホテルの駐車場です。昔の増上寺は本当に広大でした。
この門も移築されています。もとは御成門交差点の位置にあったそうです。明治25年(1892年)の東京市区改正計画で日比谷通りが新設され、その際に現在地に移築されています。

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御成門前の道を東京タワーに向かって歩いていきます。
この曲がった坂道は、都道301号、白山祝田田町線といいますが、御成門交差点には行きません。芝公園三丁目交差点で北に向きを変えてしまいます。

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この都道301号線を北に向かって歩きます。
青松寺の立派な山門です。

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ちょっと覗かせていただきます。
曹洞宗萬年山青松寺です。
開基は太田道灌です。もともとは麹町貝塚にあり、江戸貝塚青松寺と称されたそうです。慶長5年(1600年)に家康が外堀を作る際に、現在地に移りました。

先を急ぎます。
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愛宕神社です。
慶長8年(1603年)家康の命で、火除けの神様、火産霊命(ほむすびのみこと)を主祭神として創建されました。
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愛宕神社は、愛宕山の頂上にあります。愛宕山は自然に形成された山で、標高は25.7m、23区内では最も高い天然の山です。
そこまでは、この長い石田を登ります。前の写真にもありました。出世の石段です。
寛永11年、家光が増上寺に参詣した帰り道、愛宕山に源平の梅が満開に咲いているのを見て、「誰か馬に乗ってあの梅をとってこい」という命令を。近習たちは「むりっす」と誰一人名乗り出る人間がいなかったところ、丸亀藩真垣平九郎が馬に乗って見事に山上の梅を手折って家光に献上。喜んだ家光は、「日本一の馬術の名人」と讃えた。平九郎も偉いが馬も只者ではない。

この日は石段を上がる元気がなかったので、パス。

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虎ノ門ヒルズまで来ました。
東に向きを変え、新橋駅方面を目指します。

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目的地は、烏森神社
新橋駅には、烏森口という出入り口があります。というか、もともとは烏森駅でした。新橋駅は、汐留にあった時代です。この辺りは烏森という地名で呼ばれていました。枯洲の森空洲の森にカラスが沢山いたので烏森。今は飲み屋さんの森にあります。

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創立は天慶3年(940年)と言われています。平将門の乱を平定するために、俵藤太藤原秀郷がとある神社で戦勝祈願をしたところ、白狐が白羽の矢を与え、その後速やかに乱を鎮めることができた。夢に現れた白狐に、神鳥の群がるところに社を立てるように告げられ、ここ桜田の森に来たところカラスが群れており、ここだ!ということで、ここに烏森神社を造営したとされています。

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お神輿です。
5月4,5,6日に行われる例大祭で練り歩きます。

狛犬たち
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烏森神社の御朱印、頂きました。

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新橋駅から帰ります。

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この日の散歩経路。9kmちょっとですね。